
私たちが日常的に口にしている加工食品には、見た目を鮮やかな色にする、味を良くするなどの目的で、製造過程において様々な食品添加物が使われています。そのうち、保存性や味を保つために使われる「保存料」について、健康との関連を示す報告が相次いでいます。
10万人以上の成人を長期間追跡し、食事内容と健康状態を詳しく分析したフランスの大規模研究が報告されました。この研究では、特定の保存料の摂取量が多い人ほど、がんや2型糖尿病の発症リスクがやや高い傾向にあることが示されました。
注目されたのは、ハムやソーセージなどの加工肉に広く使われている亜硝酸塩・硝酸塩などの保存料です。これらの摂取量が多いグループでは、前立腺がんや乳がんなどとの関連が見られました。また、別の保存料は2型糖尿病リスクとの関連も報告されています。
ただし、これは「関連」が示されたものの、「保存料を摂ると必ず病気になる」ことを証明するわけではありません。生活習慣や食事全体の質など、他の要因が影響している可能性もあります。
一方、加工食品には、プリプリとした食感や外観の見栄え、そして味を良くする目的でリンが多く使われています。リンは自然の食べ物にも含まれている生命維持に欠かせない元素なのですが、加工食品に使われている食品添加物から過剰に摂取しがちなのです。自然の食材に含まれるリンはその40〜50%程度しか体内に吸収されないのに対して、食品添加物として使用されているリン酸ナトリウムは、約90%が吸収されてしまいます。このため加工食品の摂りすぎは、リンの摂りすぎにつながりやすいのです。過剰なリンは腸でカルシウムと結びつき、その吸収を妨げるなどの悪影響を及ぼす可能性があります。ただし、これも「リンは必ず病気になる」というわけではなく、少量を食べるのであれば健康障害にはつながりません。
では、私たちはどう行動すればよいのでしょうか。専門家の多くは「極端に怖がる必要はないが、曝露を減らす努力は合理的」と指摘します。注意しなくてはいけないことは、食べている加工食品の「量と頻度」です。日常で口にする食品が加工食品ばかりに偏らないよう、できるだけ新鮮な食材を選ぶこと、食品表示を確認して保存料の多い食品を大量摂取しないことなどに気をつけましょう。
健康は単一の成分だけで決まるものではありません。食事全体のバランスをどう考えるか、さらに運動、睡眠、ストレス管理といった食事以外の生活習慣の積み重ねが健康を左右しています。今回ご紹介した研究報告などをきっかけに、自分が「何をどれくらい食べているか」を見直すことが大切です。
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