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フレイルの背景に「慢性炎症」

「フレイル」という言葉をご存じでしょうか。フレイルとは、加齢に伴って筋力や活力が低下し、要介護状態へとつながりやすくなる中間的な段階を指します。地域で生活する高齢者の約10〜15%に見られるとされ、フレイルをいかに防ぐかが社会的に大きな課題となっています。
フレイルには様々な要因が複雑に関連しますが、近年、フレイルの背景に「慢性的な炎症」が深く関わっていることが明らかになってきました。
約12年間にわたり1700人以上を追跡し、食事とフレイル発症の関係を検討した米国の調査によると、食事の「炎症性の強さ」を示す指標の数値が高い(つまり炎症を引き起こしやすい食事をしている人)ほど、フレイルになる確率が高いことがわかりました。慢性炎症をコントロールするヒントの一つは「食事」にありそうです。

和食・地中海食の利点

それでは、体内の慢性炎症を防ぎ、健康長寿につながる食事とは、どのようなものでしょうか。一般的に健康長寿食としてよく紹介されるのは「和食」と「地中海食」です。それぞれの利点を見てみましょう。
和食は、魚介類が豊富で肉食に偏りません。基本の「一汁二〜三菜」のスタイルの中で、旬の野菜やキノコ、海藻類など様々な食材を組み合わせれば、不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素をバランスよく取り入れることができます。また、腸内細菌の働きを助ける発酵食品に恵まれているのも和食の特長です。
一方、地中海食は魚、野菜、果物、ナッツ、オリーブオイル、全粒穀物を多く取り入れた食事です。健康寿命を延ばし、病気を予防する効果があるという報告が数多くあります。

北欧の食事ガイドラインの
ポイントは?

北欧の食事ガイドラインのポイントは?

最近、日本でも注目されつつある北欧スタイルの食事はどうでしょうか。北欧にも食事ガイドラインがあり、その中心は「肉や砂糖を減らし、穀物や豆類、魚を増やす」というシンプルな考え方です。全粒穀物、豆類、魚、低脂肪の乳製品を積極的に取り入れ、一方で赤身肉、加工肉、甘いお菓子や飲み物の摂取を控えることが勧められています。
このガイドラインの内容は健康だけでなく、地球環境にも配慮した観点でまとめられており、注目を集めています。北欧やバルト諸国の食文化に根ざした、健康と環境保護を両立させる食事スタイルといえます。
スウェーデンで行われた調査の結果、このガイドラインをしっかり守っていた人は、守っていなかった人に比べて「死亡率が23%低い」という関連が示されました。肥満や糖尿病、心血管疾患などへの具体的な影響は今後調べられていく予定だそうですが、日々の食事を少しずつ見直すだけで、健康にも環境にもプラスの影響があることが示されました。

野菜・魚・豆類を中心に、
加工食品・砂糖・飽和脂肪酸を控える

こうして様々な食事スタイルを比べてみると、健康長寿を実現する食事の共通点が見えてきます。大きなポイントは「野菜を中心に、魚や豆類をたんぱく源にすること」です。乳製品は時々摂取し、加工肉や哺乳類の肉類はごくたまに食べる程度がよいでしょう。
一方、加工食品や砂糖の多い食品、飽和脂肪酸を多く含む食品は控えるほうがよさそうです。これらを多く含む食事は炎症を促進すると考えられています。
ただし、最終的な食事の最適解は人それぞれ違います。自分のライフスタイルに合わせて健康的かつ続けやすいスタイルを見つけてください。
「抗炎症的な食事がフレイル予防につながる可能性」を科学的に裏付ける研究は、私たちの日々の食卓の選択が10年後の健康寿命に直結することを示しています。まずは一日一食からでも「野菜を増やす」「魚を選ぶ」「加工食品を減らす」といった工夫を始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • フレイルの背景に
    「慢性的な炎症」が
    深く関わっている
  • 慢性炎症を引き起こしやすい
    食事をしている人ほど、
    フレイルになる確率が高い
  • 健康長寿食の共通点は
    「野菜・魚・豆類を中心に、
    加工食品・砂糖・飽和脂肪酸を控える」
  • 日々の食事を見直し、
    自分のライフスタイルに合わせて
    できる工夫を