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「海藻」のメリット、デメリット

肝臓を元気にする
イオウで夏バテ対策

肝臓を元気にするイオウで夏バテ対策

例年を上回る猛暑で体力を奪われ、ぐったりしている人も多いのではないでしょうか。毎日サウナに入っているような環境ですから、体は疲れやすくなります。食事(栄養補給)、睡眠、水分補給を大きな柱として、暑さに負けない対策を行いましょう。食事に関しては、大量の汗から失われたビタミン、ミネラルを補充するために夏野菜を食べるのがおすすめです。加えて、肝臓を元気にして解毒(デトックス)を促す食材を摂ることも大切です。食べたものをスムーズに消化・吸収してエネルギーとして利用するためにも、不要なものを溜め込まず排出しなければならないからです。肝臓の機能が落ちると、消化力も落ちてしまいます。
肝臓を元気にし、体内に入り込んだ有害ミネラルを排出するために役立つのが「イオウ」を含む食材です。代表的なのはニンニク、ショウガ、玉ねぎ、卵、そしてブロッコリー、菜の花、大根、ワサビなどアブラナ科の野菜です。これらの苦味成分にイオウが含まれていますので、日常的に摂取するように意識してみましょう。

イオウ食材①
ニンニク、ショウガ

薬味としてお馴染みのニンニク、ショウガは、漢方生薬としても古くから使われており、滋養強壮作用や、胃を健やかに保ち消化を助ける作用などが期待できます。イオウ以外にも、セレニウム、マンガン、カルシウム、鉄、銅など多種類のミネラルも含まれています。近年、がんの予防効果についても注目され、研究が進んでいます。

イオウ食材②
卵、ブロッコリー

卵は20種類のアミノ酸をバランスよく含むタンパク源であることが知られていますが、その一つには、イオウを含む含硫アミノ酸もあります。含硫アミノ酸は肝臓でグルタチオンという有害物質の排泄に欠かせない栄養素を作る原料となります。
また、アブラナ科の野菜の中でも特にブロッコリーは注目の野菜です。消費量が多く生活に重要な「指定野菜」にも位置付けられ話題となりましたが、健康増進に貢献する作用も大きく、積極的に摂りたい野菜です。ブロッコリーに微量に含まれる「スルフォラファン」というファイトケミカルに抗酸化力や解毒力があることが知られていますが、「スルフォ」とはイオウの意味です。このほか、肝臓がんの予防や脂肪肝の予防などの可能性も報告されています。

微量のイオウが解毒システムを刺激

デトックスの鍵となるのはグルタチオンという抗酸化力の強い栄養素ですが、イオウはこのグルタチオンを作るのに欠かせないミネラルです。メチオニンやシステインなどと呼ばれるイオウを含むアミノ酸が原料となって肝臓でグルタチオンが作られますので、私たちはイオウを含む食材を摂ることでデトックスを促すことができます。もちろん、運動などで汗をかくこと、便秘を改善することなどもデトックスのためには重要です。ちなみに、イオウは皮膚からも吸収されます。イオウ温泉が湯治場として利用されてきた理由の一つには、イオウを補う意味もあったのかもしれません。
とはいえ、イオウを大量に摂れば摂るほどデトックスが進むわけではありません。微量のイオウを摂取することで、体内の解毒システムを刺激するスイッチのようなイメージです。昔から焼き魚に大根おろしを付けたり、料理の薬味に少量の香味野菜を用いるのは、解毒になることを知っていた先人の知恵なのでしょう。少量でも大きな意味があることを頭の片隅に置いておき、日常的にさまざまなデトックス食材を食べましょう。

まとめ

  • 肝臓の機能を維持して
    解毒(デトックス)を促そう
  • 「イオウ」を含む食材が
    有害ミネラルを解毒するために役立つ
  • イオウを含むアミノ酸が原料となって
    肝臓でグルタチオン
    (抗酸化力の強い栄養素)が
    作られる
  • ニンニク、ショウガ、玉ねぎ、卵、
    ブロッコリーなどを食べよう
  • 薬味は微量でも大きな意味がある