極端な夏の暑さに上手に対応することは、これからの時代、必要なスキルではないでしょうか。暑い日はじっとしていても汗をたくさんかくため、運動しているのと同じように体力を消耗します。毎日それが続けば、疲れもたまりやすくなります。汗をかく分、水分補給を心がけている人は多いと思いますが、汗をかけば水分と一緒にミネラルも失われていきますので、意識してミネラルを補給することもとても大切です。
それも塩分(ナトリウム)だけ補給すればよいわけでなく、細胞の機能を整えるマグネシウムやカリウム、亜鉛などを十分に補給する必要があります。
塩分補給の際は、ナトリウム以外にマグネシウムなどのミネラルも微量に含まれている天然塩を使うことをおすすめします。マグネシウムには筋肉をゆるめる働きがあり、疲労回復や便秘予防、高血圧予防など様々な効用が期待できます。食材では、にがりや青菜などにマグネシウムが多く含まれています。
また、亜鉛も汗と一緒に失われやすいミネラルですので積極的に補充しましょう。亜鉛は牡蠣、豚レバー、卵黄、アーモンド、抹茶、ゴマなどから摂取することができます。
マグネシウムと亜鉛は日本人に不足しがちなミネラルの代表格でもあります。食事だけでは摂りにくいこともありますので、サプリメントを利用するのもよいでしょう。
なお、高血圧のために塩分制限をすすめられている人も多いと思いますが、汗を大量にかく場合に無理な塩分制限をすると、全身の力が抜けたようになったり、めまいが起こったりと、かえって体調を崩す原因にもなりかねません。かかりつけ医にチェックしてもらいながら塩分の調整を行うことをおすすめします。
体内で塩分(ナトリウム)とバランスをとって働いているのがカリウムです。汗で失われた塩分を補給するとき、一緒にカリウムも補給することを心がけましょう。カリウムはストレスがかかると体内から失われやすい性質があり、不足すると疲労感が強くなり、便秘や不整脈なども起こりやすくなります。カリウムはナトリウムの摂り過ぎによる血圧上昇を抑える働きがあり、カリウムを十分に摂ることで血圧を適正に維持できることも確かめられています。高血圧対策として塩分摂取量だけを気にするのではなく、カリウムを十分に摂れているかも意識してみるとよいでしょう。
野菜や果物、海藻類、大豆など植物性食品類がカリウムを多く含んでいます。煮炊きするとカリウムは煮汁へ漏れ出てしまいますので、野菜ジュースにしたり、スープのように煮汁ごと食べられる調理法を工夫したりしましょう。
汗をかいて失われやすいミネラルを補充するためには、夏野菜を活用するのがおすすめです。代表的なものとして、瓜科と茄子科の野菜が挙げられます。また、オクラやモロヘイヤのねばねば成分には免疫力を上げる働きがありますので、積極的に活用するとよいでしょう。昔から旬の食材を食することが健康によいと言われているように、夏には夏野菜を多く食べたいものです。
暑さで食欲が落ちると、そうめんなどあっさりした食事ばかり増えてしまいがちですが、ビタミンやミネラルが豊富な食材を活用して、夏を元気に乗り切りましょう。
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