SL Creations

「おいしさ」「安心・安全」「健康」を求めるSL Creationsは、
サイエンスに基づいた栄養の知識をお届けします。

1日のリズムと食べる時間

栄養状態が睡眠にも影響する

なかなか寝つけない、眠りが浅い、夜中に目が覚めてしまうなど、睡眠に関する悩みを抱える人がたくさんいます。睡眠は脳にとって非常に重要なクリーニングタイムです。睡眠中は脳細胞の隙間がわずかに拡張し、昼間に処理しきれなかった老廃物を排泄していることが明らかになっています。ですから良質な睡眠がとれないと、認知症の原因である変性したたんぱく質など、脳のゴミともいえる物質がたまりやすくなってしまう可能性があります。また、体の発育・修復を促す成長ホルモンは睡眠中にしか分泌されません。脳と体の健康を守るためには良質で十分な睡眠が不可欠。睡眠を削って頭を働かせても、かえってパフォーマンスを落としているかもしれません。
良質な睡眠を維持するためには、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」を毎日規則正しいリズムで分泌することが大切です。そのための方法として、昼間に適度な運動をすること、日光を浴びることなどが知られています。一方、あまり知られていませんが、栄養状態を見直すことでも睡眠の質を良くすることが可能です。

入眠前に「グリシン」を摂ろう

深い睡眠を導くための手段として、就寝前に「グリシン」を摂るという方法があります。グリシンは筋肉や皮膚などをつくるもとになるアミノ酸の一種です。神経伝達物質としてもはたらくほか、コラーゲンの3分の1はグリシンから構成されています。また、抗酸化物質の「グルタチオン」や筋肉のエネルギー源となる「クレアチン」など体にとって重要なさまざまな成分の材料にもなります。
入眠時には、深部体温が急激に下がることで深い睡眠へ導かれると言われていますが、グリシンには、深部体温を低下させる効果があることが報告されています。ですから就寝前のタイミングでグリシンを摂取すれば、睡眠の質を高めることが期待できます。

グリシン以外の栄養素も大切

グリシンは、エビ、イカ、ホタテなどの魚介類に多く含まれています。甘エビの甘さがグリシンの正体です。
グリシンはコラーゲンの構成成分でもありますから、コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCを一緒に摂ることで、肌を美しくしたり、血管や骨を丈夫にしたりするはたらきも期待できます。不眠が気になる方は「魚介類+ビタミンCを含む野菜の組み合わせ」を意識して夕食に摂り入れてみましょう。
なお、グリシンのサプリメントも多数販売されています。成分表をチェックしてグリシン100%のものを選ぶと良いでしょう。摂取量は1日3gが目安です。さらにビタミンB群のサプリメントも加えると、エネルギー代謝がスムーズになり、睡眠中にしっかりとエネルギーが充填されて状態になるため、元気に目覚めを迎えられるようになるでしょう。

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就寝前に摂ると
睡眠の質を悪くするもの

就寝前に摂ると睡眠の質を悪くするもの

逆に、就寝前に摂ると睡眠の質を悪くするのが、大量のアルコールと糖質です。いずれもメラトニンの分泌を抑えて睡眠のリズムを乱してしまいます。就寝の2〜3時間前には食事を終え、アルコールは少量に、甘いものなど糖質も控えめにして血糖値を上げないように気をつけましょう。
睡眠の改善には就寝前にブルーライトを浴びない、夜間はできるだけ照明を暗くするなどの環境づくりも重要です。併せて、食生活も見直してみてください。

まとめ

  • 睡眠は重要な脳のクリーニングタイム
  • グリシンは体をつくるアミノ酸の一種
  • 就寝前にグリシンを摂ると
    深部体温を低下させ
    質の高い睡眠に導く
  • 魚介類+ビタミンCの組み合わせを
    意識して
  • 就寝前のアルコールと糖質は控える