SL Creations

「おいしさ」「安心・安全」「健康」を求めるSL Creationsは、
サイエンスに基づいた栄養の知識をお届けします。

五味五感を生かした食の知識vol.4

いい塩梅が、懐かしい
『うちの味』の記憶をつくります」

家で料理を作る利点はいろいろありますが、自分で材料を選び、分量の加減ができるということもそのひとつ。添加物の有無を確かめたり、栄養バランスに気をくばることもできますし、手作りなら季節や家族の体調によって味つけを自由に変えることもできますね。なかでも塩は、料理にも体にも欠かせない調味料ですから、上手に使いたいものです。

塩分のメリット、デメリット

塩味は、味つけに欠かせないだけでなく、食材の甘味、うま味を引き出す効果や、腐敗を防ぐ働きもあります。甘味を強く感じるために、すいかに塩をふって食べることもありますよね。
塩の成分(ナトリウム)は体の水分調節や神経の刺激伝達などに働く一方で、むくみや血圧の上昇をまねくため、継続的にとりすぎると生活習慣病を引き起こす可能性もあります。W H O(世界保健機関)が推奨する塩分摂取量は、成人の場合一日5g未満ですが、日本人はその2倍くらいの量を摂取しているそうです。

子どもと減塩

生活習慣病を防ぐ点からも、減塩は大切です。子どものころから塩けのきいた味に慣れ親しんでいると、大人になってもなかなか薄味に変えることができないともいわれます。でも、子どもはよく動き、汗もかきますね。塩分は欠かせません。ですから、ごく幼いうちは減塩にこだわるよりは、安心・安全な食品を選び、できるだけ手作りの料理を食べさせれば充分なのではないかしらと思っています。野菜をたっぷり取り入れるのもいいでしょう。野菜に含まれるカリウムにはナトリウムを排出する効果があるんです。食生活全体のバランスを大切にしていれば、子どもに無理がかかりませんし、豊かな食生活にもつながると思います。

「うちの味」を決める塩分量

それぞれの料理に使う塩の適量、塩梅をぜひ覚えてくださいね。たとえば、カレーなら市販のルウを使うときと、カレーパウダーとうま味のある野菜で作るときでは加える塩の量も変わります。スパイシーな香りや辛みをきかせつつ、野菜の酸味、甘味を生かすことで、塩の量は少なくてもおいしくなるんですね。
また、エスエル・クリエーションズの「割烹だし」のような本格的なおいしさのだしで厚焼き卵を作れば、塩を加える必要がなくなりますし、いつ作っても味がピタリと決まります。塩の適量を覚え、いつも同じおいしい味つけで作れば、家族は「これをまた食べたい」と思いますよね。それが「わが家の味」として、子どもの味覚の記憶に残っていくのではないでしょうか。

浜内 千波さん

「家庭教師のカリスマ」とも呼ばれ、料理のあらゆる知識に精通している人気料理研究家。テレビ、雑誌、講演会での活躍のほか、朝食を紹介するTwitterや料理のコツをYoutubeで配信。また、毎月、「浜内千波ファミリークッキングスクール」のオンライン料理教室も実施中。