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サイエンスに基づいた栄養の知識をお届けします。

Smile Circle株式会社 岩城紀子社長の「正しい食品の選び方」 vol.5

vol.5「炭水化物」

長い間、日本人の「ごはん」は玄米が中心で、白米は身分の高い人しか食べられなかったそうです。江戸時代になって、都市部を中心に庶民の食卓にも白米が主流になってきました。「江戸には仕事もあるしなにより贅沢な白米が食える」と地方から人が集まり始め、江戸にはたくさんの人口が集まったと言われています。
ところが、その頃奇妙な病気が噂になりました。江戸を訪れた地方の侍や大名が、江戸に行くと体調が悪くなる、足元がおぼつかなくなる、怒りっぽくなる、場合によっては寝込んでしまうなど不可解な現象が続出。しかし地方に帰るとすっかりなおってしまったことから「江戸わずらい」という病と呼ばれた、有名な話があります。
明治に入って、実はその病気は「脚気」、すなわちビタミンB1の欠乏症であることがわかってきたのです。ビタミンB1とは、米の胚芽部分に含まれる栄養素で、炭水化物の代謝に関わる大切な栄養素であり、欠乏すると心不全にまでなる恐れがあるのです。
本来、胚芽部分からのビタミンB1をとることで体のバランスが保たれていましたが、きれいに精米することで失われてしまった栄養素が、恐ろしい病を引き起こしたという事実からは学ぶべきことがあります。
1日3回、日本人が食べる炭水化物は主食であるお米です。せっかく食べるのであれば栄養をしっかり補給したい。なのでその場で精米をしてくれるところでは3分づき、5分づき、7分づきなどの加減を選べるので、そのときに無理なく摂取できるような方法をとるのも気を使いたいことのひとつだと思います。そして精米をしたその瞬間からお米の劣化がはじまり、美味しくなくなっていくし酸化もしていくので、週1回のペースでこまめに精米したてのお米を買いにいくようにするのが、私のおすすめです。

Smile Circle株式会社

岩城 紀子代表取締役社長

1972年兵庫県生まれ。ギャップジャパン、機能性食品開発のバイオベンチャーを経て、2008年にスマイルサークル株式会社を設立。「丁寧においしい食品を作っているのに商売が下手な生産者」にかわって販路拡大、商品開発を担うかたわら、さまざまな食品会社のコンサルタント業やバイヤー代行を務める。14年に株式会社グランドフードホールを設立。兵庫県芦屋市と東京・六本木に店舗を展開。百貨店など約100社の販売先、全国各地の約2600社のメーカーと取り引きしている。テレビ東京「カンブリア宮殿」に出演し話題騒然。