免疫とは、私たちの体に備わっている「体内に侵入してきた異物を認識し、排除する生体防御システム」のことです。さまざまな免疫細胞(白血球の仲間)が協力して細菌やウイルスなどの病原体と闘います。その際には細胞から出るたんぱく質の一種や、腸内細菌が作り出す代謝物など、多様な物質が複雑に関与しています。
例えば風邪を引いたときに咳をしたり、発熱したりするのは、体の中で風邪のウイルスと免疫細胞が闘っている証拠。そのときに起こる炎症反応が咳や熱などの症状として現れているのです。免疫システムは、風邪やインフルエンザなどの感染症だけでなく、がん細胞などあらゆる病気に対抗します。そのおかげで、病気が重症化することなく、日々、私たちの健康が守られているのです。
病原体やがん細胞など悪い外敵に対しては、防御するために免疫が活性化しなければなりませんが、それが行き過ぎて暴走してしまうと、本来は攻撃する必要のない自分の細胞まで攻撃してしまい、かえって悪影響が生じる場合もあります。花粉症などのアレルギー疾患がその一例です。ですから免疫機能は、必要に応じて適切に活性化したり、抑制したりするように「整える」ことが大切なのです。
免疫機能は、栄養が不足したときや、ストレスがかかったときなどには大きく低下することがわかっています。ですから日常生活では「免疫力を下げない」ように心がけることが肝心。栄養が不足したり、偏ったりすれば、免疫システムが正常にはたらかず、ウイルス感染やがんなどの病気にかかるリスクも高まってしまいます。
特に自分の体では作ることのできない必須栄養素(ビタミン、ミネラル類)は、十分にないと免疫機能を保てない栄養素であるにもかかわらず、現代の日本人には不足しがちなため、意識して食事からしっかり摂ることが大切です。中でも免疫のコントロールに深くかかわり、かつ現代人に不足しているのが「ビタミンD・亜鉛・マグネシウム」です。これらが多く含まれる代表的な食品は以下の通りです。栄養バランスも意識しながら、これらを積極的に摂るように心がけましょう。
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