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栄養士コラム 

健康診断の結果、見直していますか?健診結果をきっかけに、毎日の食事を振り返ろう

9月は、健康診断の結果が手元に届き、自分の健康状態をあらためて見直す機会が増える時期です。
「去年より体重が増えていた」
「血圧が少し高くなっていた」
「血糖値やコレステロールが気になる……」
そんなふうに、健診結果を見てドキッとした経験はありませんか?

健診結果で、まず見ておきたい検査項目

健康診断にはさまざまな検査がありますが、普段の食事や運動などの生活習慣と関わりが深いものに、血圧・血糖・コレステロールなどの血中脂質があります。
健診結果を見るときは、「基準値の範囲に入っているか」だけでなく、前回と比べて変わったところがないかにも注目してみましょう。
たとえば、体重や血圧、血糖、コレステロールなどの数値が少し変化していたら、「最近、食事や運動はどうだったかな?」と、普段の生活を振り返るきっかけになります。

また、健診の数値だけではわからない変化にも目を向けてみましょう。
「最近、疲れやすい」「以前より体が重く感じる」「階段が少しつらくなった」など、日頃感じている変化はありませんか?
「基準値内だから大丈夫」と安心して終わらせるのではなく、健診結果を自分の健康を振り返るきっかけとして活用してみましょう。

【血圧】
血圧は、心臓から送り出された血液が血管の壁に与える圧力です。
血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、脳卒中や心臓病などのリスクにつながります。食塩の摂りすぎ、体重増加、運動不足、飲酒など、さまざまな生活習慣が血圧に関係しています。

【血糖値】
血糖値は、血液中のブドウ糖の量を示す指標です。
健診では空腹時血糖値やHbA1cなどが用いられます。HbA1cは、過去1~2か月程度の血糖状態を反映する指標です。血糖値が気になり始めたら、甘いものだけでなく、食事全体の量やバランス、運動習慣、体重なども一緒に振り返ってみましょう。

【血中脂質】
LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などを確認します。
脂質の値は、食事内容だけでなく、体重、運動、飲酒などさまざまな要因の影響を受けます。「数値が高かったから、この食品を食べない」という一つの対策だけではなく、生活習慣全体を見直すことが大切です。

食事で見直したい3つのポイント

健診結果を見たら、いきなり食事を大きく変えるのではなく、まずは普段の食生活を振り返ってみましょう。

(1)「主食・主菜・副菜」がそろっている?
健康日本21(第三次)では、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスの良い食事をとることが、栄養・食生活の目標の一つとなっています。
例えば、『ご飯+魚や肉+野菜のおかず』という組み合わせです。
忙しい日は「おにぎりだけ」「パンだけ」「麺だけ」になりがちですが、そこに卵、魚、肉、大豆製品、野菜などを一品加えるだけでも、食事のバランスを整えやすくなります。

(2)野菜だけでなく「食物繊維」も意識
「野菜を食べよう」と意識している方は多いと思います。しかし、食物繊維は野菜だけでなく、きのこ、海藻、豆類、穀類、いも類、果物などにも含まれています。
日本人成人の食物繊維摂取量は平均18.1g/日で、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人男性20g以上、女性18g以上が目標量として設定されています。
「野菜を増やす」だけでなく、主食に雑穀や全粒穀物を取り入れる、きのこや海藻をおかずに加える、豆類を食べるなど、食品の種類を増やすことも食物繊維の摂取量アップにつながります。

(3)食べる「時間」も振り返ってみる
食事は「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」も気になるところです。
2026年に発表された高齢者介護における調査(科学的介護情報(LIFE)システム研究)「では、日本人高齢者28万3,166人を対象に、食事のタイミングと認知症発症との関連が調べられました。
その結果、就寝前2時間以内の夕食を週3回以上とること、朝食を週3回以上抜くことが、それぞれ認知症発症リスクの上昇と関連していました。深夜の夕食ではハザード比1.17、朝食抜きでは1.13でした。
ただし、これは「そのような食習慣が認知症を引き起こす」と証明した研究ではありません。対象者は平均72.8歳の高齢者であり、観察研究であることから、因果関係についてはさらなる研究が必要とされています。
だからこそ、今回の研究をきっかけに、「朝食を抜いていないか」「夕食が毎日深夜になっていないか」など、自分の食事時間を振り返ってみることから始めてみましょう。

今月のピックアップ食材
『きのこ』

秋の食卓に取り入れたいのが、きのこ類です。
きのこには食物繊維が含まれており、普段の食事で不足しやすい食物繊維を補う食材として活用できます。
また、冷凍保存に向いている食材のため、冷凍のきのこミックスや、食べやすい大きさに切って冷凍庫にストックしておくと、炊き込みご飯、スープ、炒め物などに必要な分だけ使うことができます。
きのこは種類によって風味や食感が異なるため、しめじ、えのき、しいたけ、まいたけなどを組み合わせると、料理の味わいも広がります。

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管理栄養士からひとこと

健康診断の結果を見ると、「血糖値を下げよう」「コレステロールを改善しよう」と、つい一つの数値に目が向きます。

「異常なし」だから、何もしなくていい?
健診結果が基準値内だと、「健康だから、今の生活を続ければ大丈夫」と思いがちです。
でも、健診結果は「合格・不合格」を判断するものではありません。

◇前回と比べて数値がどう変わったのか。
◇最近、疲れやすい、体が重いなど、気になる変化はないか。
◇食事や運動、睡眠など、生活習慣に変化はなかったか。

「異常がないか」だけでなく、「変化がないか」にも目を向けてみましょう。
健診結果を、これからの自分の健康を考えるための「現在地」として活用してみてください。

まずは、
「毎日、朝食を食べる」
「昼食に野菜のおかずを一品加える」
「きのこや海藻など、食物繊維を意識する」
「遅い時間の夕食をできるだけ避ける」
「主食・主菜・副菜をそろえる」
など、できることを一つ選び、毎日続けてみましょう。
「自分ができる一つのこと」を一つずつ増やし、継続することが、健康状態の改善につながります。

参考文献(エビデンス)

・厚生労働省「健康日本21(第三次)」関連情報 ・厚生労働省「特定健康診査及び特定保健指導について」 ・厚生労働省「食生活改善普及運動」 ・厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」 ・PubMed「Late-night dinner, skipping breakfast, and the risk of dementia in Japan: the LIFE Study」

【著者】秋山里実
株式会社 SL Creations 健康サポート推進室
管理栄養士/NR・サプリメントアドバイザー