栄養士コラム
暑い日は外出を控え、通勤など必要時以外ほとんど歩かないという人も少なくありません。 実は夏は、気づかないうちに活動量が低下しやすい季節です。 運動不足は筋力低下や疲れやすさだけでなく、生活習慣病リスクにもつながります。 今回は暑い季節でも無理なく続けられる運動習慣と、運動後に摂りたい栄養についてご紹介します。
夏は気温や湿度が高く、屋外での活動を控えがちになります。また、エアコンの効いた室内で過ごす時間が増えることで、知らず知らずのうちに身体活動量が低下します。通勤以外ではほとんど歩かないという方も少なくありません。
身体活動量の低下は、筋力や基礎代謝の低下につながるだけでなく、生活習慣病のリスクを高めることも知られています。
筋肉は体を動かすだけでなく、姿勢の維持や血流の促進、エネルギー消費にも重要な役割を担っています。特に、下半身の筋肉は、加齢や運動不足の影響を受けやすく、活動量の低下によって徐々に筋力が落ちていきます。
また、暑さによる食欲低下で、たんぱく質やビタミン・ミネラルだけでなく、体を動かすために必要なエネルギーまで不足しがちです。エネルギー不足の状態が続くと、体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするため、筋力低下が進みやすくなります。
その結果、「疲れやすい」「階段がつらい」「体が重い」といった不調につながることがあります。
運動不足の解消は、必ずしも特別なトレーニングを行う必要はありません。まずは日常生活の中で体を動かす機会を少し増やすことから始めましょう。
【通勤編】
・一駅分歩く
・エスカレーターより階段
【職場編】
・1時間に1回立ち上がる
・コピーや会議室移動で歩数を増やす
・肩回しや背伸びなど、簡単なストレッチを取り入れる
【自宅編】
・テレビを見ながらスクワット
・歯磨き中のかかと上げ
運動後は筋肉の材料となるたんぱく質をしっかり補給することが大切です。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などのたんぱく質源を毎食取り入れるよう心がけましょう。
また、筋肉を維持・増強するためには、エネルギー源となる炭水化物も欠かせません。食事から十分なエネルギーが摂れない場合、体は筋肉を分解してエネルギーとして利用してしまいます。
「運動しているのに筋肉が増えない」「疲れが抜けにくい」と感じる方は、たんぱく質だけでなく、ごはんやパン、麺類などの主食も適量摂ることを意識しましょう。
鶏むね肉は高たんぱく・低脂質の代表的な食材です。筋肉の材料となるたんぱく質を効率よく摂取できるほか、エネルギー代謝に関わるビタミンB群も含まれています。
蒸し鶏やサラダ、炒め物などさまざまな料理に活用できるため、日頃のたんぱく質補給におすすめです。
筋肉は年齢に関係なく鍛えることができます。
運動は「頑張る」よりも「続ける」ことが大切です。
まずは1日10分、いつもより少し体を動かすことから始めてみましょう。
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
・厚生労働省「健康日本21(第三次)」
・スポーツ庁「FUN+WALK PROJECT」
・公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康づくりのための身体活動基準」
・日本スポーツ栄養学会「スポーツ栄養の基礎知識」
【著者】秋山里実
株式会社 SL Creations 健康サポート推進室
管理栄養士/NR・サプリメントアドバイザー