栄養士コラム
毎年夏になると、「食欲がない」「体がだるい」「疲れが取れない」と感じる方が増えてきます。このような状態は、いわゆる「夏バテ」のサインかもしれません。
夏バテは、暑さそのものだけが原因ではありません。
・大量の発汗による水分・電解質(ナトリウム、カリウムなど)の喪失
・暑さによる食欲低下でエネルギー・たんぱく質不足になる
・室内外の温度差による自律神経の乱れ
・睡眠不足や疲労の蓄積
これらが重なることで、体温調節がうまく働かなくなり、疲労感や食欲不振などの症状につながります。
汗をかくと、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。
日常生活では、こまめな水分補給と通常の食事で不足分を補えます。しかし、屋外作業や運動などで大量の汗をかいた場合は、水だけを大量に飲むと体液のバランスが崩れることがあります。
そのような場面では、
・水
・麦茶
・必要に応じてスポーツドリンクや経口補水液
などを状況に応じて使い分けることが大切です。
朝食は、睡眠中に失われた水分とエネルギーを補給し、体温を上げて体内時計を整える役割があります。
朝食を抜くと、「エネルギー不足」「集中力の低下」「午前中から疲れやすい」「熱中症リスクが高まる」可能性があります。
食欲がない朝でも、抜くのではなく、おにぎりやバナナ、牛乳、味噌汁など、食べやすいものを摂るようにしましょう。
【今日からできる3つの対策】
(1)のどが渇く前にこまめに水分補給する
(2)毎食、たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)を取り入れる
(3)主食を抜かず、必要なエネルギーをしっかり確保する
暑い日は冷たい麺だけで済ませたくなりますが、それではたんぱく質やビタミン類が不足しがちです。
ポイントは、『主食+主菜+副菜』を意識すること。
例えば、コンビニなら、おにぎりにサラダチキンなどのたんぱく質源、さらにサラダや野菜のおかずを組み合わせるのがおすすめです。
社員食堂なら、定食のようにご飯とおかずと汁物がセットになったメニューや、ご飯ものでもビビンバや炒飯など具材がたくさん入ったものに小鉢を組み合わせたり、麺類につくね串など、一品追加するだけでも栄養バランスが改善します。
自宅では、冷凍野菜や冷凍惣菜を上手に活用すると、暑い日でも手軽に栄養バランスを整えることができます。
枝豆は夏の栄養補給にぴったりの食材です。
枝豆は「畑の肉」と呼ばれる大豆を未成熟のうちに収穫した野菜です。野菜でありながら、たんぱく質も補える数少ない食材です。また、ビタミンB1、カリウム、食物繊維も含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きを助け、カリウムは汗で失われやすいミネラルの一つです。
炭水化物は体を動かすための大切なエネルギー源です。不足すると疲れやすくなり、夏バテの一因にもなります。
また、適切な量の炭水化物は、運動前の補食としても重要です。ウォーキングやジョギング、子どもの部活動などでは、運動の1~2時間前に、おにぎりやバナナ、ロールパンなど消化の良い炭水化物を補給すると、筋肉や脳のエネルギー源となり、持久力や集中力の維持に役立つことが知られています。
夏バテ対策は特別なことではありません。「こまめな水分補給」「毎日の食事」「十分な休養」を積み重ねることが、暑さに負けない体づくりにつながります。
この夏も、毎日の食卓から健康づくりを始めてみましょう。
・厚生労働省「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」
・厚生労働省「職場における熱中症対策の強化」
・厚生労働省「健康のため水を飲もう講座」
・公益財団法人 日本スポーツ協会「熱中症予防運動指針」
・公益財団法人 日本スポーツ栄養協会
【著者】秋山里実
株式会社 SL Creations 健康サポート推進室
管理栄養士/NR・サプリメントアドバイザー