
「アボカドは体によい」と聞いたことがある人は多いと思います。一方、脂質を多く含むアボカドは「森のバター」とも呼ばれ、1個あたり約250〜300kcalと比較的エネルギーも高いため、カロリーを制限したい場合は敬遠する人もいるかもしれません。しかし「少量でも腹持ちがよく、食欲を抑えることにつながるためダイエットに役立つ」という意見もあります。どう考えればよいのでしょうか。
アボカドは、その果実部分に脂質を豊富に含みます。そのほとんどはオレイン酸を主体とした一価不飽和脂肪酸で、オリーブオイルにも含まれる良質な脂質です。この脂肪酸は、LDLコレステロールの酸化を抑える作用があり、血管の健康維持に役立つと考えられています。
また、良質な脂肪を含む食品を食べれば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンKといった脂溶性ビタミンの吸収を良くするというメリットもあります。
アボカドには脂質以外の栄養素も豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境の改善や食後血糖値の上昇を穏やかにする働きが期待できます。カリウムは体内の余分なナトリウムの排泄を促し、高血圧対策にも重要な栄養素ですが、バナナ1本分よりも多く含まれています。さらに、ビタミンEには抗酸化作用が期待できます。葉酸、ビタミンK、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンC、マグネシウムなども豊富で、血管の健康だけでなく、骨や神経の健康、エネルギー代謝にも重要な役割を果たしています。
アボカドや大豆に含まれる成分が変形性関節症の痛みを緩和するとの報告もあり、詳しいメカニズムについてさらなる研究が待たれます(※)。さらに、最近では植物由来の成分(フィトステロールやカロテノイドなど)が、慢性炎症や酸化ストレスを軽減する可能性も注目されています。さまざまな栄養素が総合的に働くことで、将来の健康リスクを減らすことに貢献しそうです。
※Cartilage. 2015 Jan;6(1):30–44.
とはいえ、何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。健康によいからといって、アボカドばかり食べ過ぎるのは禁物です。「森のバター」と言われる通り、パンにバターを塗る代わりにアボカドペーストを塗ったり、マヨネーズ代わりにサラダに加えて脂質を補うなど、何かを「置き換える」形で適量を取り入れるのがおすすめです。
健康づくりは、一度に生活を大きく変える必要はなく、むしろ毎日の食事に小さな工夫を積み重ねることが、将来の病気予防につながります。その点、アボカドは美味しく続けやすい「天然の健康食品」と言えそうです。上手に食卓に取り入れてみてください。
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